2017年9月23日~10月1日 お倉ヶ浜にて「世界ジュニアサーフィン選手権」が開催されました。
世界中から41のチームが集まり、熱戦を繰り広げました。

日向市民がそれぞれの立場で携わりましたが、私も通訳・翻訳の立場から携わらせていただいたので、その日誌を公開します。読み物として練ったものではないので、そんなに面白いものではありませんがご容赦ください。
舞台裏の話ではありますが、秘密がある訳でもないですし、受け入れた日向市民、宮崎県民にはぜひ知っていただきたいと願っています。

9月22日(金)
サーフィン大会の公式日程は11時の共同記者会見から始まり。その前に、十屋市長、河野知事、親善大使の松田丈志さんを初めとする日本側キーパースンと国際サーフィン連盟(ISA)役員の顔合わせ。ISAアギーレ会長の過去のスピーチを前日にチェックしたが、スペイン語訛が強いので、聞き取れないところ多く、かなり不安。でも、朝 集まっていたのは顔見知りの地元メディアの方が多いから、たどたどしくてもご愛嬌かーと思っていたのに、会見直前に部屋に戻ったら外国メディアも含めて超満員(ヤバ)。初顔合わせのアギーレ会長は、たぶん日本側に配慮して、分かりやすい話し方をしてくれたので助かった。彼が笑いをとりたいところで笑いをとれたので、信頼してくれたみたい。これから10日間つきあうのに、まずまずのスタートか。アギーレ会長はサーフィンをスポーツとしてだけみているのではなく、背後に平和や愛といったサーフィン哲学があるということが分かった。

9月23日(土)
いよいよ開会式。市内小学生がパレードで各チームを先導するために集まっている。サンシャインキッズも多数参加。皆、スペイン語圏の国担当になったので「オラ!」という挨拶だけ教える。後で聞いたら、皆 英語でのコミュニケーションをとれたみたい。素晴らしい実践の機会。
[お役目がらパレードの先頭集団に。愛想を振りまいた方がいいのか?]

夜は歓迎レセプション。2分の挨拶をまともに訳すと2分かかってしまうので間延びしてしまう。流れを止めないように、耳から入った挨拶の訳をその場でタイプしてスクリーンに投影。英語に堪能な河野知事が興味深そうに訳をチェックしている様子がありあり。たまらん。でも、まあまあ信頼できると踏んでくれたか、自分の挨拶の翻訳を委ねてくれた。後になって県の人が「知事がこのやり方に興味を持っていました」とわざわざ言いに来た。もしかして、面倒なことをしやがってという意味かしら?

松田丈志選手(現役を退いたから選手じゃないか)が英語でスピーチ。国際サーフィン連盟の人たちが大盛り上がり。やはりダイレクトに伝わるのは強い。このスピーチ指導を、松田選手が中1の時の担当教師だった幸子がしたというのはここだけの話。

しめは商工会議所  三輪会頭が考案した「ヒュー!日向  一本締め」 アギーレ会長。ノリノリ

9月24日(日)
競技が始まり舞台はお倉ヶ浜へ。アギーレ会長、フローレンス夫人、お嬢さんのジーナちゃん4歳にストーカーのように付いて回り、必要な時にサッと駆けつける。舞台での踊りや露店を興味深そうに見て回る。おもてなし部会文化交流班が担当している文化体験、この日は茶道、に誘導するも、まずはその手前の牛串を堪能。その結果、お手前の前の特等席確保に失敗。次の日、夕刊デイリーさんが抹茶を楽しむアギーレ家の写真を掲載してくれたが、とても良い写真だった。

9月25日(月)
どんなに忙しくとも食事はしないといけないし、初めて訪問した土地のものを食してみたいというのは自然なこと。アギーレ会長と家族の外食の手配も自分の仕事に。いつも近くにいるので、そういったことも頼もうという気になったらしい。国際儀礼としてはVIP接待はプライベートな時間も含めて、家族も対象に行うもの。日向市的には会長に日向を気に入ってもらう必要があるだろうから、精々努めることとしよう。
ということで午後4時に仰せつかった最初のリクエストは、麺かピザで20人 入れる店の手配。周りにいた人たちにもアイデアを求めるが、地元資本でその規模を急きょ受け入れることができる店が思いつかず。観戦に来ていたOriginさんに泣きつく。「月曜日は定休日なんですけど」「そこをなんとか」(・・約30秒の間)「分かりました」 後で分かったのは、ISAではなくアルゼンチンチームを招いての私的懇談会だったということ。若きアスリートが10人以上いると、まるでブラックホール。食べ物を置いた瞬間に消えてしまう。ご苦労をおかけしました。その間にOriginのRちゃんと仲良しに。

9月26日(火)
お父さんもお母さんも忙しく働いて、付き添いの乳母さんとずっと一緒にいるジーナちゃん。退屈しちゃうよね。「他の子と一緒に遊びたい」ということで、サンシャインアカデミーへ。その日はちょっと下の齢の子のレッスンだったけど、ひさしぶりに子どもと一緒に走りまわれて大満足。

外食のチョイスは基本的に「おもてなし部会」が制作した英語版レストランガイドから写真を見て夫妻が選択。その日の昼食は「季里居」にて和食を楽しむ。

午後にはまたサンシャイン、後、浜へ。そして、「昨日のあの子と遊びたいよー」ということでRちゃんに来てもらうのと、うちの娘を投入。
[子ども同士でしかできないおもてなし]

そして与えられた新たな試練。アギーレ夫人からのリクエスト。「餃子を食べたい。でも豚肉の入っていないもの」 エェっ!? そんなのあるの?いくつかのお店に尋ねるも、さすがにそれは見つからず。なければ作るしかない!ということでおすがりしたのが「ヒュー!日向サポートセンター」の拠点を置かせていただいているホテルメリッサさん。事情をお話しすると「やってみる」との心強いお返事。
[いちきさんにて日本の美に触れる]

デサキで画材を調達、本町の「いちき」さんにて和の布や履物を購入してからメリッサに伺うと、なんと豚肉抜き餃子が3種類もできていた。いずれも凝ったもので夫人も大満足。特にキムチで辛めにしたものが好みだったとのこと。「アギーレ餃子」と呼ぶことのお墨付きを得たが、メリッサさんがそう命名したいかどうかは別問題。お試しになりたい方はメリッサさんまで...ってビアガーデンは9月末に閉まるんだった。


9月27日(水)
朝、ジーナちゃんがトコトコと出てきて"Can I come to your school today?"(今日もスクールに行っていいですか?)と尋ねてきた。どうぞどうぞ。ちょうど同じくらいの生徒さんのレッスンに参加。英語を学ぶ訳ではないからアシスタントかな。
[サンシャインへの道すがら、ジーナちゃんを囲碁ミュージアムにご案内。興味津々]

雨のため競技は途中で中止となったけれど、スタッフは遅くまで働く。夕食は「ささ河」さん。何も食べずに控えている私に同情して大将が何か作ってやると申し出てくれたが丁重に辞退。

9月28日(木)
今日もジーナちゃんは独り。サンシャインアカデミーが英語レッスンをさせていただいている大王谷幼稚園にて交流させていただく。先生方のうまいリードでジーナちゃんも園児たちも楽しく遊べました。サンシャインに通ってくれている園児が英語で手伝ってくれた。

午後の空いた時間に、大御神社を訪問。新名宮司に案内していただく。土地の空気に思わず黙り込んで、深呼吸。
宮司が毎朝、海に入って、祓い、祈りをしているということを聞いて、アギーレ会長曰く「あなたもサーファーですね。サーファーが海に入るのは自然に浸るため、波に乗るのは自然のエネルギーに乗るためなのです」とのこと。両者、意気投合。
[大御神社にて意気投合]

競技終了後に、最近 事故でなくなった若いサーファーを偲ぶ「パドルアウト」という式典が持たれた。海で大きな円陣を組んでいた。これがサーファー同士の連帯というものなのだろうか。

9月29日(金)
今日は試合が昼過ぎに終わり。後半に差し掛かり、市役所のスタッフにも疲労の色が濃い。自分も色が濃くなったと思ったら、陽に焼けたのだった。アフリカに10年いたよりも、お倉ヶ浜1週間の方がはるかに焼けた。

[浜には連日、市内小学生が観戦に。素晴らしい教育的配慮]

今日もメディアの取材通訳。この社も自分が訳した言葉をそのまま使ってくれた。ニュアンスを大事にしつつ、分かりやすい言葉を使うよう心がけている通訳者の密かな喜び。

アギーレ夫妻は知事のご招待なので夕食対応なし。残されたジーナちゃんの相手をするため、また娘を投入。Rちゃんも合流。ありがとう。

晩には米国チームとの交流会。MC通訳は国際交流員のキャメロンがやってくれることになったので、ちょっと楽させてもらう。日本語のあいさつの時間よりも通訳の時間が短いので市長も訝しがるが、こういった席ではそれもアリ。自分はスポーツ少年団の若きサーファー達のため、選手から上達の秘訣、コーチから試合での勝ち方を教えてもらう。相撲の土俵入りパフォーマンスが大受けだった。

9月30日(土)
今朝もジーナちゃんはサンシャイン、と思ったら夫人まで付いてきた。お母さんが一緒だとジーナちゃんは友達と遊ぶどころではなくなり、この時とばかりにお母さんにベタベタ。2人で伊勢ケ浜や大御神社にお散歩へ..と思ったらうちの娘までついていってしまった。

リレー方式の競技で、残り25秒で日本が逆転優勝するという快挙!ドラマティック。

夜は細島での花火大会。これはスタッフも選手も楽しみにしていた。いつものことながらすごい迫力。VIP組は商工会女性部の鉄壁なご接待付。「ひむまる君」ぬいぐるみをもらってジーナちゃんご満悦。次の日も抱っこして現れた。
[アギーレ会長が怪しげな姿勢をとっているのは、ヒュー!日向 一本締めをやろうとしているから]

その後、「うさぎ屋」さんにて会食。食材のほとんどが半径10km圏内のもの。日向の食の豊かさを実感いただいた。アギーレ会長いわく「地のものを食べるのは環境にも良い」。色紙にサーフィンを通じた愛と平和をモチーフにした絵まで描いてくれた。ご覧になりたい方はうさぎ屋さんまで。それにしてもドクター室伏広治さんは、英語でしっかりとやりとりできる。メダリストという立場にコミュニケーション力が加われば鬼に金棒やね。普通の人は英語で発信する何かを作るのが大変なのに、メダリスト級アスリートなら英語さえできれば誰でも耳を傾けてくれる。

外国人の集団が騒いでいるという報せを受けて上町に駆けつけるが、酔っぱらった地元の人だった..。

10月1日(日)
いよいよ最終日。16歳以下、18歳以下の、それぞれ男子の部、女子の部の決勝戦が行われた。16歳以下男子の部で日本人・安室丈選手が優勝!(初めてのことらしい)会場も興奮の頂点へ。

特設部屋では、河野知事、十屋市長、東京オリンピック組織委員会 室伏広治局長他がアギーレ会長を拍手で出迎え。挨拶が交わされました。お倉ヶ浜は競技会向きのビーチであること、日向の市当局のアレンジが素晴らしいこと、日向市民の歓迎が温かいことに謝意が述べられました。「海と浜は市民の貴重な財産です。魚が採れるだけではありません。どうか大切に守ってください。そのために、まず浜に足を運んでください。海は美容と健康、若さの源ですよ」

[閉会式前に記念品贈呈。西村さんの絵をとても気に入っていた]

そして、閉会式。「『リラックスサーフタウン』でリラックスできました。また戻ってきます!」とのアギーレ会長からのメッセージ。もっとも市職員は「しばらくはご勘弁」と思っちゃうかも。朝から晩までよく動いていた。自分の通訳としての仕事もここまで。皆さんご苦労様でした。


自分が見たのは大会のごく一部に過ぎません。触れ合ったすべての人にストーリーがあります。うちの隣の蕎麦屋さんも撮影した写真を選手に送ってあげました。道案内をしてあげた人も少なくありません。飲食店や夜の街にも全面的にご協力いただきました。まとめ役の寺尾さんの言葉を借りれば、まさに「日向市民の総力戦」。ものすごく疲れましたが、多くの国の人々が行き交う日向市、ちょっといいんじゃありませんか?

[サポートセンターを置かせていただいたメリッサホテル屋上ビアガーデンにて。地元の人と外国のお客様の交流が楽しいですね]


この大会を通じて多くの方々から、もっと英語をやっておけばよかった、今から英語を勉強したい、子供には英語だけはやらせたい、という声を耳にしました。私がこのような機会に恵まれたのも、ちょっと英語ができたから。英語はあなたの才能、個性を発揮する道具です。世界に打ってでるにしても、地元でがんばるにしても、これからの日向、宮崎の活力に不可欠なスキルです。最後は宣伝。本格的な英語力、社会で使えるコミュニケーション能力、国算理社の学力向上は、サンシャインアカデミーにご相談ください。



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